What the hell is going on?とは?
英語の映画やドラマで緊迫したシーンに頻繁に登場するフレーズのひとつが、What the hell is going on?です。日本語に訳すと、「一体何が起きてるんだ?」「どういうことだ?」「いったい何なんだ、これは?」といったニュアンスになります。
シンプルに言えば What is going on?(何が起きているの?)という疑問文に、「the hell」という強調表現が加わったものです。この一言を挿入するだけで、純粋な疑問から驚き・怒り・困惑・苛立ちといった強い感情が前面に出たフレーズへと一変します。日本語で言えば「何が起きてるの?」ではなく「一体全体どういうことなんだ!?」に近い迫力があります。ネイティブスピーカーが感情的になったとき、または目の前の状況があまりにも理解不能なときに思わず口をついて出る、まさに「生きた英語」の代表格といえる表現です。
表現の由来:the hellはどこから来たのか?
hellはもともと「地獄」を意味する単語ですが、英語では感情を強調するための強調語として非常に広く使われるようになりました。What the hell? や Where the hell did you go?(一体どこへ行ってたんだ?)のように、疑問詞の直後にthe hellを挿入することで、その疑問に強い感情的なエネルギーを加えるのです。
この用法はexpletive insertion(感嘆語挿入)と呼ばれる英語の文法現象のひとつです。What in the world is this?(これは一体なんだ?)や What on earth happened?(一体何が起きたんだ?)なども同様の構造を持ちますが、「the hell」はその中でも特に口語的で、感情の激しさが際立ちます。この用法は少なくとも19世紀頃には英語圏に存在していたとされており、映画やテレビドラマの普及とともに口語表現として定着しました。
どんな場面で使われるのか?
What the hell is going on?が登場する典型的な場面を見てみましょう。
- 部屋や職場に戻ったら想定外のことが起きていてパニック状態になっているとき
- 友人や同僚が突然奇妙な行動を取り、理由が全くわからないとき
- ニュースを見聞きして、あまりにも信じられない状況に唖然としたとき
- 騒音や混乱が周囲で起きており、状況を把握しようとしているとき
- 怒りを感じながら相手や状況に対して詰問するとき
共通しているのは「状況が理解できない」「想定外すぎる」「感情が揺さぶられている」という点です。純粋な好奇心から発せられる What’s going on?(何があったの?)とは異なり、このフレーズには必ず強い感情が伴っています。
会話例
例1:職場でのトラブル
A: What the hell is going on? All the files are gone from the server! B: I know. IT is working on it right now. There might have been a system crash. A: 一体何が起きてるんだ!サーバーからファイルが全部消えてるぞ! B: わかってる。IT部門が今対応してるよ。システムクラッシュかもしれない。
例2:家に帰ったら
A: What the hell is going on here? Why is there water everywhere? B: The pipe under the sink burst. I already called the plumber. A: 一体どうなってるんだ!なんで水だらけなんだよ? B: 流し台の下のパイプが破裂したの。もう配管工に電話したよ。
例3:ニュースを見ながら
A: Did you see the news? The whole downtown is blocked off. B: What the hell is going on? I need to get home through there. A: ニュース見た?ダウンタウン全体が封鎖されてるよ。 B: 一体何が起きてるんだ?あそこを通って帰らなきゃいけないのに。
ニュアンスと使い方の注意点
① the hellはやや粗野な表現である
the hellは英語圏では軽度ながら「粗野な表現(mild profanity)」として認識されています。子供の前、フォーマルな場面、目上の人や初対面の人への使用は避けるのが無難です。親しい友人同士やカジュアルな状況では自然に使える表現ですが、TPOをわきまえることが大切です。
② ソフトな言い換えを覚えておこう
- What on earth is going on? ― hellよりソフトで、驚きのニュアンスが強い
- What in the world is going on? ― 同様にソフトで日常的に使いやすい
- What is happening here? ― 感情をほぼ排したニュートラルな表現
- Can someone explain what’s going on? ― 冷静さを保ちつつ疑問を示す
③ 感情の種類によってトーンが変わる
このフレーズは怒り・困惑・驚き・パニックなど様々な感情をのせられます。低くゆっくり言えば怒りが強調され、高く速く言えばパニックや驚きのニュアンスが強まります。英語学習者はイントネーションの変化にも注目してみましょう。
④ 派生表現・短縮形にも注目
日常会話では What the hell’s going on?(短縮形)や、単独で What the hell? だけで使われることもあります。また What the heck is going on? はhellをheckに置き換えたソフトバージョンで、下品さが大幅に軽減された子供の前でも使いやすい表現です。さらに Where the hell did you go? や Why the hell didn’t you call? のように他の疑問詞と組み合わせると、感情表現の幅がぐっと広がります。
まとめ
What the hell is going on?は驚き・怒り・困惑が入り混じった強い感情を一言で表現できるパワフルなフレーズです。映画やドラマに頻繁に登場するため、英語学習者にとって耳に馴染みやすい表現でもあります。ただし使う場面を選ぶ必要がある点は忘れずに。カジュアルな状況では効果的ですが、フォーマルな場では What on earth is going on? などの代替表現を選ぶのが賢明です。ぜひ映画やドラマでこのフレーズがどんな場面・トーンで使われているか意識して聞いてみてください。

こんにちは、ゆぶろぐです。
言葉には、辞書には載っていない「空気」があります。 「どんな表情で?」「どんなトーンで?」 そんな英語の「空気」ごと味わえるよう、フレーズと共に映画のワンシーンを紹介しています。あなたの英語学習が、もっとドラマチックなものになりますように。
本名、吉成雄一郎(よしなりゆういちろう)。株式会社リンガポルタ代表取締役社長。東京電機大学教授、東海大学教授を経て現職。
