Take care of yourself.とは?
英語の日常会話や映画、ドラマの別れのシーンでよく耳にする表現のひとつが、Take care of yourself.です。日本語に訳すと、「お体に気をつけて」「元気でいてね」「自分を大切にして」といったニュアンスになります。
シンプルに言えば、Take care.(気をつけてね)という短縮形でも使われますが、yourself.を加えることで、「ほかの誰でもなく、あなた自身を大切に」という気持ちがより丁寧に、そして温かく伝わります。日本語で言えば「どうかご自愛ください」に近い響きがあります。
ネイティブスピーカーが別れ際に自然と口にするこの表現は、形式的な挨拶でありながら、相手への真摯な気遣いが込められた「生きた英語」の代表格と言えます。この記事では、この表現の構造や由来、使われる場面、会話例、注意点まで詳しく解説していきます。
表現の構造:なぜtake careなのか?
まず、この表現の核心であるtake careについて理解しておきましょう。
takeはもともと「取る・つかむ」という意味の動詞ですが、careと組み合わさることで「世話をする・気にかける・注意を払う」という意味になります。つまりTake care of yourself.を直訳すると「あなた自身の世話をしなさい」となり、そこから転じて「自分を大切に」「健康に気をつけて」という意味で広く使われるようになりました。
この構造は英語の中でよく見られる命令文+目的語の形で、相手に対する助言や願いをシンプルかつ直接的に伝えることができます。Take care of your health.(健康に気をつけて)やTake care of your family.(家族を大事に)のように応用もできます。
どんな場面で使われるのか?
Take care of yourself.が登場する典型的な場面を具体的に見てみましょう。
- しばらく会えない友人や家族との別れ際に、気遣いを込めて伝えるとき
- 病気や体調不良の相手に対して、回復を願って声をかけるとき
- 困難な状況や大変な時期を過ごしている人を励ましながら送り出すとき
- 電話やメールの締めくくりとして、相手への思いやりを添えるとき
- 職場の同僚や知人が退職・異動する際に、今後の健康を祈って伝えるとき
共通しているのは、「相手のことを心配している」「相手に健やかでいてほしい」「自分を後回しにせず大切にしてほしい」という温かい感情です。単なる挨拶のようでいて、その一言には深い人間的な気遣いが宿っています。
会話例
実際の使われ方を、いくつかの場面別会話例で確認しましょう。
例1:長期出張前の別れ
A: I'll be away for three months. I'm a little nervous. B: You'll be fine. Take care of yourself, okay? A: 3ヶ月間離れることになるんだ。少し不安だよ。 B: 大丈夫だよ。自分を大切にね。
例2:体調不良の友人へ
A: I'm going to rest at home for a few days. B: Good idea. Take care of yourself and let me know if you need anything. A: 数日間、家で休むつもりだよ。 B: いいね。お体に気をつけて、何か必要なことがあれば教えてね。
例3:退職する同僚に
A: Today is my last day. It's been a pleasure working with you. B: Same here. Take care of yourself. Stay in touch! A: 今日が最終日なんだ。一緒に働けて良かったよ。 B: こちらこそ。お元気で。また連絡してね!
例4:メールや手紙の締めくくり
A: Thanks for everything. Talk soon. B: Of course. Take care of yourself. Looking forward to hearing from you. A: いろいろありがとう。またすぐ話しましょう。 B: もちろん。お体に気をつけてね。連絡待ってるよ。
ニュアンスと使い方の注意点
① フォーマルにもカジュアルにも使える万能表現
Take care of yourself.は、友人同士のカジュアルな会話から、ビジネスメールの結びまで幅広く使える便利な表現です。堅苦しくなく、それでいて礼儀正しい響きがあるため、相手の年齢や立場を問わず使いやすいのが特徴です。日本語の「ご自愛ください」に相当する丁寧さを自然に表現できます。
② 短縮形と使い分け
日常会話では、Take care.だけで同様の意味として使われることが非常に多いです。yourselfを省いたこの短縮形は、よりカジュアルでテンポよく会話を締めくくりたいときに向いています。一方でTake care of yourself.はより丁寧で、相手への気遣いをしっかり伝えたいときに適しています。
- Take care.(気をつけてね)― 軽くてカジュアルな別れの挨拶
- Take care of yourself.(自分を大切にね)― 丁寧で気持ちがこもった表現
- Please take care of yourself.(どうかお体に気をつけてください)― さらに丁寧な形
③ 似た表現との違いを知ろう
同じような場面で使われる表現はほかにもいくつかあります。状況や相手との関係に応じて使い分けると表現の幅が広がります。
- Stay safe.(安全でいてね)― 危険が伴う状況や、災害・感染症などのリスクがあるときに使いやすい
- Keep well.(お元気で)― やや古風でフォーマルな響きがある
- Look after yourself.(自分を大切に)― Take care of yourself.とほぼ同じ意味で、特にイギリス英語でよく使われる
- Be well.(お元気で)― 簡潔でフォーマルな印象を与える表現
④ 返答の表現も覚えておこう
Take care of yourself.と言われたとき、どう返せばよいか戸惑う学習者も多いでしょう。よく使われる自然な返答をいくつか覚えておくと会話がスムーズになります。
- You too!(あなたもね!)― 最もシンプルで自然な返答
- Thanks, you too.(ありがとう、あなたもね)― 感謝と気遣いを同時に伝える
- I will. Take care!(そうするよ。気をつけてね!)― 相手の言葉を受け取り、返す形
⑤ 感情の込め方でニュアンスが変わる
Take care of yourself.は、声のトーンや状況によってニュアンスが変化します。穏やかに静かに言えば、深い愛情や心配が伝わり、明るく元気に言えば、励ましや応援のエネルギーが宿ります。英語学習者としては、言葉だけでなく感情の乗せ方にも注目することで、表現の豊かさをより深く理解できるでしょう。
まとめ
Take care of yourself.は、相手への思いやりと気遣いを自然に、そして温かく伝えられる非常に実用的なフレーズです。短くシンプルながら、その言葉の中には「あなたのことを大切に思っている」というメッセージがしっかりと込められています。
カジュアルな会話からフォーマルな場面まで幅広く使えるため、英語コミュニケーションの中でぜひ積極的に使いたい表現のひとつです。また、Look after yourself.やStay safe.といった類似表現も合わせて覚えておくことで、場面に応じた柔軟な表現が可能になります。
映画やドラマ、日常会話の中でこのフレーズが出てきたとき、ぜひそのシーンの雰囲気やトーンにも注目してみてください。言葉の意味だけでなく、感情の込め方まで意識することで、英語表現の理解がより深まるはずです。

こんにちは、ゆぶろぐです。
言葉には、辞書には載っていない「空気」があります。 「どんな表情で?」「どんなトーンで?」 そんな英語の「空気」ごと味わえるよう、フレーズと共に映画のワンシーンを紹介しています。あなたの英語学習が、もっとドラマチックなものになりますように。
本名、吉成雄一郎(よしなりゆういちろう)。株式会社リンガポルタ代表取締役社長。東京電機大学教授、東海大学教授を経て現職。
