That’s not gonna happen.とは?
英語の映画やドラマ、あるいは日常会話の中で、誰かの提案や要求をきっぱりと拒絶する場面に遭遇したことはないでしょうか。そんなとき、ネイティブスピーカーがよく口にするのが That’s not gonna happen. というフレーズです。日本語に訳すなら、「それは絶対にない」「そんなことは起こらない」「それは無理だ」 といったニュアンスになります。
文法的に整理すると、gonna は going to の口語的な短縮形であり、That’s not going to happen. が元の形です。これを崩してよりカジュアルに、そして感情をのせやすい形にしたのが That’s not gonna happen. です。直訳すれば「それは起こらないだろう」ですが、実際の使われ方は単なる予測ではなく、強い意志・断固たる拒絶・可能性の完全な否定を表すことがほとんどです。
この表現の魅力は、シンプルな構造でありながら非常に強い意味を持っている点にあります。長々と理由を述べることなく、たったこの一言で「ノー」を明確に伝えることができます。本記事では、この表現の背景・使われる場面・会話例・注意点などを詳しく解説していきます。
表現の構造:gonna と have to の関係
まず、このフレーズのカギとなる gonna について整理しましょう。gonna は going to の発音が崩れた形で、主に口語・カジュアルな会話で使われます。書き言葉や改まった文章には通常使われませんが、日常会話・映画・歌詞などでは極めて頻繁に登場します。
That’s not going to happen. という文を分解すると、That’s(それは)、not going to(〜しないだろう/〜することにはならない)、happen(起こる)という構成になります。この going to は未来の予測を表しますが、文脈によっては話し手の強い意志や決意を示す用法にもなります。つまり「そうなるつもりはない」「そうはさせない」という強い否定のニュアンスが生まれるのです。
また、この表現は 受動的な予測ではなく、能動的な拒絶 として機能することが多い点が特徴です。「自然とそうはならないだろう」という意味合いよりも、「私がそうはさせない」「そんなことは認めない」という話し手の意志が前面に出てきます。
どんな場面で使われるのか?
That’s not gonna happen. が使われる典型的な状況を見てみましょう。
- 相手の無理な要求や提案を明確に断りたいとき
- 交渉の場で、受け入れられない条件を提示されたとき
- 誰かが非現実的な期待を持っていて、それを打ち砕きたいとき
- 権限を持つ人物が、部下や相手の行動を制止するとき
- 友人間で、冗談交じりに「絶対にやらない」と宣言するとき
共通しているのは、「その可能性を完全に排除する」という強い意思表示です。やわらかく断る I don’t think that’ll work. や I’m not sure about that. とは異なり、That’s not gonna happen. には妥協の余地がほとんどありません。
会話例
例1:職場での交渉
A: We need you to finish the entire report by tomorrow morning. B: That's not gonna happen. It's a three-day job at minimum. A: 明日の朝までにレポート全体を仕上げてもらう必要があります。 B: それは無理です。最低でも3日はかかる作業ですよ。
例2:友人との会話
A: Come on, just apologize to him. It'll fix everything. B: That's not gonna happen. After what he did? No way. A: ねえ、彼に謝ればいいじゃん。それで全部解決するよ。 B: それは絶対にない。あいつがしたことを考えれば?ありえない。
例3:親子間のやり取り
A: Dad, can I stay out until 2 AM? B: That's not gonna happen. Be home by ten. A: お父さん、夜中の2時まで外にいてもいい? B: そんなこと絶対ない。10時までに帰ってきなさい。
例4:映画的な場面
A: Hand over the files and we'll let you walk out of here. B: That's not gonna happen. Call your lawyers. A: ファイルを渡せば、ここから出してやる。 B: そんなことにはならない。弁護士を呼べ。
ニュアンスと使い方の注意点
① 断定的な強さに注意する
That’s not gonna happen. は非常に強い断定表現です。ビジネスや目上の人への使用には注意が必要で、場面によっては高圧的・失礼に聞こえることがあります。フォーマルな場では I’m afraid that won’t be possible. や That may be difficult to arrange. などの柔らかい表現を選ぶほうが無難です。
② 類似表現との比較
似たニュアンスを持つ表現として、以下のものも押さえておきましょう。
- Not a chance.(絶対にない)― より短く感情的な否定
- No way.(ありえない)― カジュアルで汎用性が高い
- Over my dead body.(絶対に阻止する)― 強い意志と感情を込めた慣用表現
- I won’t allow it.(それは許可しない)― より権威的でフォーマルなニュアンス
③ トーンによって意味が変わる
同じフレーズでも、声のトーンによって受け取られ方が大きく変わります。低くゆっくり言えば冷静な断固拒絶、強く速く言えば感情的な怒りや驚きのニュアンスになります。英語学習者はこのトーンの違いにも注目してみましょう。
まとめ
That’s not gonna happen. は、シンプルながら非常に強い拒絶・否定の意志を表すフレーズです。映画・ドラマから日常会話まで幅広く使われますが、その強さゆえに使う場面を選ぶことが大切です。状況に応じてソフトな言い換えも使いこなせると、英語表現の幅が格段に広がるでしょう。

こんにちは、ゆぶろぐです。
言葉には、辞書には載っていない「空気」があります。 「どんな表情で?」「どんなトーンで?」 そんな英語の「空気」ごと味わえるよう、フレーズと共に映画のワンシーンを紹介しています。あなたの英語学習が、もっとドラマチックなものになりますように。
本名、吉成雄一郎(よしなりゆういちろう)。株式会社リンガポルタ代表取締役社長。東京電機大学教授、東海大学教授を経て現職。
