■この映画のご紹介
伝説のボクサー、アポロ・クリードの息子であるアドニス・クリードは、亡き父の盟友ロッキー・バルボアの指導のもと、ついにボクシング界の頂点、ライトヘビー級チャンピオンの座に上り詰める。公私ともに順風満帆なアドニスだったが、彼の前に、かつて父アポロをリング上で死に至らしめた旧ソ連のボクサー、イワン・ドラゴの息子、ヴィクター・ドラゴが挑戦者として現れる。父の仇、そしてクリードという名の重圧。アドニスは、家族やロッキーの反対を押し切り、この因縁の対決に挑むことを決意する。過去の亡霊と対峙し、真のチャンピオンとは何かを問う、世代を超えた魂の物語である。
■この映画で使われている会話表現とスラング
beat down
徹底的に打ちのめすこと/完敗
beat down は、文字通り「打ちのめす」という意味の動詞句 beat down から派生した名詞で、「徹底的な打ちのめし」「完膚なきまでの敗北」を意味する口語表現である。単なる敗北ではなく、相手に反撃の余地すら与えない一方的な試合展開や、精神的にも肉体的にも完全に叩きのめされた状態を指す。ボクシングや格闘技の文脈で特によく使われるが、スポーツ全般や、議論、競争など、勝ち負けが絡むさまざまな状況で用いることができる。動詞として使う場合は He beat down his opponent.(彼は対戦相手を完膚なきまでに叩きのめした)のように表現する。名詞としては、It was a complete beatdown.(それは完全なワンサイドゲームだった)という形で使われることが多い。類義語には blowout や shellacking などがあり、いずれも「圧勝」や「大敗」を意味するスラングである。この表現には、物理的な暴力だけでなく、相手の自信や誇りを打ち砕くという精神的な側面も含まれている点が特徴だ。
『クリード 炎の宿敵』では、アドニスが世界チャンピオンになった直後のインタビューでこの言葉が登場する。コメンテーターがアドニスに Well, Adonis, it wasn’t an epic battle, but it was a hell of a beat down.(アドニス、歴史に残るような大激戦とは言えませんでしたが、見事なまでに一方的な試合でしたね)と語りかける。epic battle(壮大な戦い)ではなかったが、それとは別の意味で強烈な、a hell of a beat down(とんでもない叩きのめしっぷり)だったと評しているのだ。このセリフは、アドニスの圧倒的な強さを示すと同時に、観客が期待していたようなギリギリの攻防ではなかったことを示唆している。アドニスの勝利を称えつつも、どこか物足りなさを感じさせるこの一言が、後のヴィクター・ドラゴとの因縁の対決への伏線となっている。日常会話では、例えばビデオゲームで友人に圧勝した際に I gave him a serious beatdown in that last match.(最後の試合で彼をボコボコにしてやったよ)のように、やや大げさに使うことができる。
hook you up with
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~に紹介する/~を手配する
hook someone up with ~ は、インフォーマルな場面で非常に広く使われる句動詞で、「(人)に~を紹介する」や「(人)に~を手配してあげる、融通する」といった意味を持つ。文字通り「フックでつなぎ合わせる」というイメージから、人と人、あるいは人とモノや機会とを「つなぐ」ニュアンスで使われる。例えば、I can hook you up with my friend who works in IT.(IT業界で働いている友達を紹介してあげるよ)のように、人脈を紹介する場合に頻繁に用いられる。また、Can you hook me up with some tickets for the concert?(コンサートのチケットを何枚か手配してくれない?)のように、入手が難しいものや特別な便宜を図ってもらう際にも使われる。この表現は、友人同士のカジュアルな会話で特によく聞かれ、相手に何か良いものを提供したり、助けたりする親切な行為を指すことが多い。単に hook someone up と言うだけでも「誰かのために便宜を図る」「何か良いものを与える」という意味になる。For example, The bartender hooked me up with a free drink.(バーテンダーが無料で一杯おごってくれた)。
『クリード 炎の宿敵』では、アドニスが世界チャンピオンになった後の祝賀パーティーのシーンでこの表現が使われる。アドニスが部屋に入ると、多くの人々が彼に群がり、お祝いの言葉やビジネスの誘いをかける。その中で、あるプロデューサーがアドニスに When you get to LA, I gotta hook you up with -(LAに来たら、ぜひ紹介したい人がいるんだが…)と話しかける。このセリフは、チャンピオンになったアドニスに群がる人々が、彼を利用して自分たちの利益を得ようとしている様子を象徴している。hook you up with という口語的な表現を使うことで、業界人の馴れ馴れしさや、成功者に群がるハイエナのような人々の姿がリアルに描かれている。ビジネスの場面でも、ややカジュアルな文脈であれば Let me hook you up with our marketing director.(弊社のマーケティング部長にご紹介します)のように使うことができる、非常に便利な表現である。
