■この映画のご紹介
1991年公開のコメディ映画『ビルとテッドの地獄旅行』は、前作『ビルとテッドの大冒険』の続編である。未来からやってきた悪の陰謀家デ・ノモロスが、ビルとテッドの邪悪なロボット版を現代に送り込み、本物の二人を崖から突き落として殺してしまう。死んだビルとテッドは幽霊となって彷徨い、ついには死神(グリム・リーパー)と対決することになる。死神とボードゲームで勝負し、天国でアインシュタインやレオナルド・ダ・ヴィンチと出会い、地獄では個人的な恐怖と対峙するなど、奇想天外な冒険が繰り広げられる。クリス・マセソンとエド・ソロモンによる脚本で、ティーンエイジャーたちのスラングと独特のユーモアが随所に散りばめられた作品だ。
■この映画で使われている会話表現とスラング
Excellent!
最高だ!/すばらしい!
Excellent! はビルとテッドを象徴するキャッチフレーズで、何か良いことが起きたときや気分が盛り上がったときに使う感嘆詞である。標準的な英語でも「優れた」「すばらしい」という意味の形容詞として使われるが、ビルとテッドの世界では大げさに伸ばして叫ぶような言い方が特徴的だ。日常会話でも That’s excellent news!(それはすばらしいニュースだ!)や The food was excellent.(料理は最高だった)のように頻繁に登場する。 ビルとテッドはこれを仲間との合言葉のように使い、特にエア・ギター(実際には弾いていないのに弾くフリをするジェスチャー)とセットで叫ぶのがお決まりのパターンだ。相手が予想外に良いことをしてくれたとき、試験に合格したとき、好きなバンドの曲が流れたときなど、あらゆる「良い瞬間」に使える万能の一言である。 『ビルとテッドの地獄旅行』では、邪悪なロボット版のビルとテッドが登場したとき、悪の組織のリーダー・デ・ノモロスが計画の説明を終えると、Evil Bill and Ted(悪のビルとテッド)が How’s it goin’, Rebels!(反乱軍の皆さん、調子はどうですか!)と言い放つ場面や、Good Robots Bill and Ted が互いに War, Bill and Ted と言い合う場面でも Excellent!! と叫ぶ。ポジティブな反応の最上級として、映画全体を通じて繰り返し使われるこの一言は、スラングとしてのエネルギーをそのまま体現している。 類義語としては Awesome!(最高!)、Amazing!(すごい!)、Fantastic!(素晴らしい!)などがあるが、Excellent! には1980〜90年代のアメリカのティーン文化特有のハイテンションなニュアンスが宿っている。
No way!
まさか!/ありえない!/絶対に嫌だ!
No way! は英語のスラングの中でも特に使用頻度の高い表現で、「まさか!」「信じられない!」「絶対にそんなことはない!」という意味を持つ。驚きを表す場合と、強い拒絶を表す場合の両方で使われる万能フレーズだ。You got the job? No way!(仕事が決まったの?まさか!)のように使えば驚きと喜びを、No way am I doing that!(絶対にそんなことしない!)のように使えば断固とした拒否を表せる。 対になる表現として Yes way! がある。これは No way! に対して「いや、本当だよ!」と言い返すときのカジュアルな返し方で、ビルとテッドの映画では特徴的な表現として何度も登場する。 『ビルとテッドの地獄旅行』では、悪のロボット版が本物のビルとテッドを崖の上に連れて行き、We’re totally gonna kill you now.(今から完全に殺すぞ)と宣言したときに、ビルとテッドが No way!(まさか!)と叫ぶ場面がある。それに対してEvilテッドが Yes way, Ted. We’re fully programmed to do it.(本当だよ、テッド。完全にプログラムされているんだ)と返す。この「No way / Yes way」のやり取りはビルとテッドシリーズの代名詞的な掛け合いで、子どものような無邪気さと非現実的な状況が組み合わさった独特のユーモアを生み出している。 日常的にも No way! は非常に使いやすい表現で、友人の話を聞いて驚いたときや、信じがたい情報を耳にしたときに自然に口から出てくる一言だ。
