■この映画のご紹介
Table of Contents
−- ■この映画のご紹介
- ■この映画で使われている会話表現とスラング
- It doesn't look very professional.
- Why should I imagine that?
- What's got into you?
- Don't let it spoil your good mood.
- Come on, give me your coat.
- I fancy a drink.
- It's one of the 5% that go wrong.
- What can I do for you?
- It's a full-time job.
- Don't feel guilty.
- I'm not a cripple.
- It can happen when you get older.
- Let's talk about something else, shall we?
- With deep gratitude.
- Things will go from bad to worse.
- I can't be bothered to ~.
- You're always good at surprises.
- Forgive me, I was too slow.
- I'm out of my depth.
- Go fuck yourself.
- I take my hat off to you.
パリに暮らす80代の老夫婦、ジョルジュとアンヌ。二人はともに音楽家として長い人生を歩んできた。ある朝、アンヌが突然意識を失い、手術の失敗により右半身が麻痺してしまう。病院には二度と戻らないという約束のもと、ジョルジュはアパルトマンで妻の介護を一人で続ける。外の世界から切り離された二人の部屋の中で、愛は静かに、しかし確実に試されていく。ミヒャエル・ハネケ監督によるこの作品は、2012年カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞し、老いと死と愛の本質を容赦なく、しかし深い敬意をもって描いた傑作として世界中に衝撃を与えた。
■この映画で使われている会話表現とスラング
It doesn’t look very professional.
あまりプロの仕業には見えない
professional はもちろん「プロの」「専門家の」という意味の形容詞だが、日常会話では「手際が良い」「本格的な」「洗練されている」というニュアンスでも広く使われる。それに対して not very professional は「プロらしくない」「素人っぽい」「ぎこちない」という意味合いになる。 この表現は仕事や技術に関することだけでなく、人の行動や態度に対しても使われる。That was not very professional of him to shout at the client.(クライアントに怒鳴るなんて、彼のそれはプロらしい態度ではなかった)や The repair job looks like it wasn’t done by a professional.(修理の仕上がりが、プロのやった仕事とは思えない)のように使える。 『愛、アムール』では、ジョルジュとアンヌが夜帰宅すると、玄関の錠前のまわりに深い引っかき傷がついているのを発見する。明らかに誰かが侵入しようとした痕跡だ。ジョルジュは指でその傷をなぞりながら、They used a screwdriver or something like that…it doesn’t look very professional…(ドライバーか何かを使ったんだろうな……あまりプロの仕業には見えない)と言う。コンサートから帰ってきた直後の、夜のアパルトマンの玄関という日常的な場面でのセリフだが、「プロらしくない犯罪者」という言い方に、ジョルジュのやや皮肉めいた知性が感じられる。 日常会話では、That haircut doesn’t look very professional.(そのヘアカットはあまりうまくなさそう)や The presentation was not very professional.(プレゼンがあまりプロらしくなかった)などと使える。言い方が直接的でないぶん、批判を柔らかく包む便利な表現だ。
Why should I imagine that?
なんでそんなことを想像しなきゃいけないんだ?
Why should I ~? は「なんで私が~しなければならないの?」という意味の反語的な表現で、相手の提案や想定に対して疑問や反発を示すときに使われる。Why should I care?(なんで私が気にしなきゃいけないの?)や Why should I apologize? I didn’t do anything wrong.(なんで謝らなきゃいけないの?何も悪いことしてないのに)のように、感情的な抵抗や拒否感を示す際によく登場する口語表現だ。 should には「義務」や「当然」というニュアンスがあるため、Why should I ~? は「そんな義務はないはずだ」という含意を帯びる。命令や要求に対して穏やかに、しかしはっきりと反発するときに使える表現で、言い方次第では軽いユーモアにもなる。 『愛、アムール』では、アンヌが「もし私たちが家にいて、誰かが押し入ってきたら想像してみて」と言うと、ジョルジュは Why should I imagine that?(なんでそんなことを想像しなきゃいけないんだ?)と即座に返す。アンヌはさらに「恐ろしい!そんな目にあったら怖くて死んでしまいそう」と続け、ジョルジュも So would I.(私もそうだよ)と笑って答える。この場面は、二人がいかに長い時間をともに過ごし、会話のテンポと間合いを完全に共有しているかを示す、映画前半の微笑ましい一場面だ。Why should I imagine that? という一言に、ジョルジュの「考えたくないものは考えない」という合理的な性格が滲んでいる。
