■この映画のご紹介
Table of Contents
−- ■この映画のご紹介
- ■この映画で使われている会話表現とスラング
- beside the point
- That you are.
- piss someone off
- ring a bell
- hearsay
- keep it together
- play devil's advocate
- up in the air
- I'll find a solution. / I'll figure something out.
- a trial is not about "The Truth"
- take inventory
- plunder
- antidepressants
- guilt trip
- warped
- screw up / mess up
- keep something clean
フランス・アルプスの山岳地帯に佇む古びたシャレーで、ドイツ人作家サンドラの夫サミュエルが雪の上に倒れ死亡しているのが発見される。事故か、自殺か、それとも殺人か。妻サンドラは夫殺しの疑いをかけられ、やがて法廷に立つことになる。視覚障害を持つ11歳の息子ダニエルは、唯一の目撃者に近い存在として、真実の鍵を握る。ジュスティーヌ・トリエ監督がアルチュール・アラリとともに脚本を執筆したこの作品は、2023年カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した。フランス語と英語が混在する多言語的な法廷劇であり、「真実とは何か」「夫婦の実像はどこにあるのか」を観客に問いかける骨太な傑作である。
■この映画で使われている会話表現とスラング
beside the point
的外れ/本題とは関係ない
beside the point は「論点からずれている」「本題とは関係ない」という意味の慣用表現だ。議論や会話において、相手が言っていることが核心に触れていない、あるいは重要ではないと指摘するときに使う。off the point や irrelevant とほぼ同じ意味だが、beside the point の方がより口語的で会話の中でよく使われる。 That’s beside the point.(それは的外れだ)や What you’re saying is interesting, but it’s beside the point.(あなたの言っていることは興味深いが、論点からはずれている)のように使う。議論をする際に、相手の話が主題から逸脱していると感じたときに便利な表現だ。 『落下の解剖学』では、冒頭の場面で、文学ライターのゾエがサンドラのインタビューをする中で、「あなたの息子の事故の描き方はあなたが経験したことだから感情的になる」と述べると、サンドラは What if you didn’t know?(もし知らなかったら?)と問い返す。ゾエが That’s beside the point, we do know.(それは的外れよ、私たちは知っているんだから)と返す場面がある。自らの作品と実人生の境界線についてのこの会話は、映画全体のテーマである「真実と虚構の境界」を早くも予告しており、beside the point というフレーズが論争的な知的対話の中で自然に使われている好例だ。日常会話でも、議論が脱線しそうなときに That’s beside the point, let’s stay focused.(それは本題からずれてる、集中しよう)のように使えるので、覚えておくと実用的だ。
That you are.
そうだね、確かに(相手の言葉を肯定する)
That you are. は相手の述べたことを短く、かつ少しウィットを込めて肯定する表現だ。You are + 形容詞や名詞の文に対して、That you are. と返すことで「まさにそうだね」という意味になる。単に Yes. や Indeed. と返すよりも、少し文学的でエレガントな雰囲気がある。 たとえば I’m real, in front of you, now.(私は本物、今ここにいる)と相手が言ったのに対して That you are.(そうだね、確かに)と返すパターンだ。You’re a great teacher. — That you are.(あなたは素晴らしい先生ですね。——そうだね)のように使える。英語では主語を繰り返さず、That + 動詞 + 主語という倒置構造で短く応じるこのパターンは、洗練された会話表現として知られている。 『落下の解剖学』では、インタビューの場面でゾエが Yes but still, you had to meet me. I’m real, in front of you, now.(それでも私に会う必要があった。私は本物、今ここにいる)と言い、サンドラが That you are.(そうだね)と短く返す場面がある。このやり取りは表面上は軽い会話だが、サンドラが他者との接触を通じて創作の刺激を得るという自らの作家としての姿勢を示している。シンプルな一言の中に、サンドラのウィットと知性が凝縮されている。会話の中でこうした短い肯定を使いこなせると、英語らしい洗練されたコミュニケーションができるようになる。
