■この映画のご紹介
Table of Contents
−- ■この映画のご紹介
- ■この作品で使われている会話表現とスラング
- witch hunt
- deadwood
- cream floats / cream rises to the top
- step up
- re-do
- hang fire
- lean on
- retrospective parenting
- grainless
- gouged
- Ebbinghaus curve
- organic memory
- a bit of a thing
- fudge it
- skeletons (in the closet)
- nutcase
- winding someone up
- serial monogamist
- pooling our grains
- bollocks
- lip-read reconstruction
- back-up plan
- parameters
近未来、人々は「グレイン」と呼ばれる小型デバイスを耳の後ろに埋め込み、自分が見聞きしたすべての記憶を録画・再生できる社会に生きている。弁護士のリアムは、仕事の査定が芳しくない日に、妻フィオンの旧友たちのディナーパーティーへ出席する。そこで妻と「ジョナス」という男の不自然な親しさを目にしたリアムは、グレインの記憶を何度も巻き戻して再生し、疑念を深めていく。記憶を完全に保存できる技術が、愛する人への疑惑をどこまでも増幅させてしまう——本作はブラック・ミラーシーズン1の第3話として制作された短編ドラマである。脚本はジェシー・アームストロングが手がけた。
■この作品で使われている会話表現とスラング
witch hunt
魔女狩り/不当な吊るし上げ
witch hunt は文字通り「魔女狩り」という意味だが、現代英語では「特定の人物や集団を標的にした不当な追及・迫害」を指す比喩表現として広く使われる。職場での査定や政治的な文脈で、不公平な調査や弾圧を批判するときに使われることが多い。 This isn’t a witch hunt; it’s a legitimate investigation.(これは魔女狩りではなく、正当な調査だ)や The media’s treatment of him was a complete witch hunt.(メディアの彼への扱いは完全な魔女狩りだった)のように使う。「特定の人物を狙い打ちにして責め立てる行為」を指す場合、政治や職場でも頻繁に登場する表現だ。 『ブラック・ミラー「あなたの人生の物語」』では、法律事務所での査定の冒頭で上司のマックスが It’s not a witch hunt for the deadwood.(これは使えない人材を狩る魔女狩りじゃない)と言う場面がある。「deadwood」は「枯れ木」つまり「役に立たない人材」を指すスラングで、それと組み合わせることで、査定が不当な首切りではなく「優秀な人材を見つけるための宝探し」だと主張している。しかし実際の雰囲気はリアムを追い詰めるものであり、マックスの言葉は空虚に響く。こうしたビジネス英語的なまわりくどさが、この場面のコミカルさと不気味さを同時に演出している。 witch hunt はもともと17世紀に実際に行われた魔女裁判に由来する表現で、無実の人々が集団ヒステリーによって糾弾された歴史的事実から転じて現代的な意味を持つようになった。SNS上での炎上騒ぎなども a social media witch hunt と表現されることがある。
deadwood
役に立たない人材/お荷物
deadwood は文字通り「枯れ木」「腐った木材」を意味するが、比喩的には「組織や集団の中で役に立たない人材」「お荷物になっている人や物」を指すスラングだ。ビジネスの文脈でよく使われ、特にリストラや組織改革の話題で登場する。 We need to cut the deadwood from the team before the project falls apart.(プロジェクトが崩壊する前にチームのお荷物を切り捨てなければならない)や There’s too much deadwood in this department; no one seems to be pulling their weight.(この部署にはお荷物が多すぎて、誰も仕事を果たしていないように見える)のように使う。 『ブラック・ミラー「あなたの人生の物語」』では、マックスが査定の場面で It’s not a witch hunt for the deadwood. Much more a treasure hunt for the gold?(使えない人材を追い出す魔女狩りじゃなく、優秀な人材を見つける宝探しだ)と言う。続けて Shit sinks, but also cream floats.(ダメなものは沈むが、優秀なものは浮かび上がる)とも言う。これは「Cream rises to the top(本物は自然と上に来る)」というイディオムをもじったものだ。いかにも企業的なポジティブスピーク(前向きな言い回し)で本質を覆い隠そうとしている場面であり、リアムがその圧力に居心地悪そうにしている様子がよく描かれている。
