■この映画のご紹介
Table of Contents
−- ■この映画のご紹介
- ■この映画で使われている会話表現とスラング
- Jump straight out of whitespace
- Let's not lose our heads.
- Settle down into
- Wide berth
- Starey
- Fangirling
- Subliminal / Sublime(コードが "sublime")
- Toxic workplace
- Major league
- A bubble universe ruled by an asshole God
- Pop up here like a pop tart
- Crippled permissions
- Leverage
- PhotoCloud account
- Spambot
- Firewall
- Rogue
- Do not disturb
- Procedurally generated
- Holy mackerel
『ブラック・ミラー』は、近未来のテクノロジーと人間の暗い欲望を描くイギリス発のSFアンソロジードラマシリーズだ。その中でも「USSコールスター」は、孤独な天才エンジニア、ロバート・デイリーが、自分の作ったVRゲームの非公開バージョンに同僚たちのDNAから作り出したデジタルクローンを閉じ込め、昔ながらのSFドラマ風の世界で独裁的に支配するという物語である。ゲームの世界で神のように振る舞うデイリーに対し、クローンたちは脱出を試みる。スターウォーズやスタートレックへのオマージュが随所に散りばめられた、テクノロジーと権力、孤独と報復をテーマにした問題作である。
■この映画で使われている会話表現とスラング
Jump straight out of whitespace
ワープ空間から突然現れる
whitespace は本来、プログラミングや印刷の世界では「空白スペース」を指す技術用語だが、このドラマのSFの文脈では「ワープ空間」や「超空間」を意味する造語的な表現として使われている。jump straight out of ~ は「~からいきなり飛び出す」「突然現れる」という意味で、予告なく何かが出現する状況を描写するときに使う。 日常会話では jump を使ったさまざまな表現が存在する。jump out of nowhere(どこからともなく現れる)、jump the gun(フライングする、早まった行動を取る)、jump at the chance(チャンスに飛びつく)などが代表的だ。jump straight into ~ は「すぐに~に突入する」という意味でビジネスや会話の中でよく使われ、Let’s jump straight into the meeting agenda.(さっそく議題に入りましょう)のように使える。 『ブラック・ミラー「USSコールスター」』では、ウォルトンが宇宙船の接近を報告する場面でIt’s a non-federation vessel – jumped straight out of whitespace, right in front of us.(非連合艦隊の宇宙船だ。ワープ空間からいきなり俺たちの目の前に飛び出してきた)と言う。緊急事態を即座に説明するこのセリフは、SFらしい専門用語をスラング的に活用した好例だ。宇宙船の突然の出現という状況を表すのに、jump という動詞が視覚的なイメージを喚起する働きをしている。
Let’s not lose our heads.
冷静を保とう/慌てるな
lose one’s head は「冷静さを失う」「パニックになる」という意味の慣用表現だ。字義通りには「頭を失う」だが、比喩的に「平常心を失って判断力が低下する」状態を指す。逆に keep one’s head は「冷静でいる」「落ち着いて行動する」という意味になる。歴史的な処刑(断頭)との関連を想起させる含みもあり、文学的な響きを持つ表現でもある。 ラドヤード・キプリングの詩「If」の冒頭、If you can keep your head when all about you / Are losing theirs(周囲がみな冷静さを失うときでも、あなたが冷静でいられるなら)という一節はあまりにも有名だ。日常会話では、Don’t lose your head over it.(それくらいでパニックになるな)、She kept her head even in the crisis.(彼女は危機の中でも冷静でいた)のように使われる。 『ブラック・ミラー「USSコールスター」』では、敵艦に攻撃され始めた船内でウォルトンが降伏を主張する場面で、デイリーがLet’s not lose our heads, Lieutenant Walton.(冷静を保とう、ウォルトン中尉)と言う。まさにカオスの中でリーダーシップを発揮するセリフで、captain=冷静な指揮官というイメージを強調している。実際のデイリーは職場では縮み上がっているのに、ゲームの中では別人のように堂々としているというギャップが、このセリフによって際立っている。
