■この映画のご紹介
Table of Contents
−- ■この映画のご紹介
- ■この映画で使われている会話表現とスラング
- You gotta understand.
- Let's go crazy and say fifteen.
- Out of the blue / Out of thin air
- Check the box
- Gallows humor
- In enough trouble
- Say that again
- Bigger fish to fry
- Philandering
- Walk me to the stage
- Kinetically gifted
- Simpleton
- Hazing
- One way or the other
- Audience share
- Kinescope
- Infantilize
- Firewall
- Navigate
- Salacious
- Wally Pipp
- Dotada cineticamente / Kinetically gifted (再掲)
- Compound fracture
アーロン・ソーキン脚本・監督による2021年の伝記ドラマである。1950年代のアメリカで、伝説的なテレビコメディ「I Love Lucy(アイ・ラブ・ルーシー)」を作り上げた実在のカップル、ルシール・ボールとデジ・アーナズの激動の一週間を描く。ルシールは共産主義者だとラジオで告発され、同時に夫の浮気疑惑を報じる雑誌記事が出回り、さらに妊娠を番組に組み込もうとする夫に対してネットワークとスポンサーが猛反発する。収録から放送まで一週間という制作サイクルの中で、これら三つの危機がいっぺんに降りかかる。ニコール・キッドマン、ハビエル・バルデムが主演を務め、ソーキン特有の高速かつ知的なセリフが全編にわたって炸裂する。テレビ業界の内幕を描きながら、愛と創造性と政治が交錯する一作だ。
■この映画で使われている会話表現とスラング
You gotta understand.
わかってもらわないと/重要なことがある
gotta は have got to の口語的短縮形で、「~しなければならない」という義務や強調を表す。You gotta understand. は「あなたはわかってもらわないといけない」「これは理解しておくべきことだ」という意味で、話者が重要なことをこれから説明しようとするときに使う前置き表現だ。You need to understand. と同義だが、gotta を使うことでよりカジュアルで口語的なニュアンスになる。You gotta understand, this is a huge deal.(わかってほしいんだけど、これはものすごく重要なことなんだ)のように使う。 『リカルドを演じて』では、年老いたジェス・オッペンハイマーが当時のテレビ視聴率について語りながら、What you gotta understand is this.(ここでわかってもらわないといけないのはこれだ)と何度も繰り返す場面がある。これは彼のキャラクターの口癖のようになっており、ソーキン脚本らしい反復による強調のテクニックが活かされている。英語では this is what you need to know という意味の前置き表現が会話の中で頻繁に使われ、聞き手の注意を引きつける効果がある。日常会話でも You gotta understand, I didn’t mean to hurt you.(わかってほしいんだけど、傷つけるつもりじゃなかった)のように使える便利な表現だ。
Let’s go crazy and say fifteen.
大げさに言って15(だとしよう)
let’s go crazy は「大げさに言えば」「思い切って言えば」というニュアンスで使われる口語表現だ。実際には「狂う」わけではなく、通常の範囲を超えた仮定や誇張を提示するときに使う。Let’s say ~(仮に~だとしよう)よりも口語的で、「それでも足りないくらいだ」という含みを持たせることができる。 Let’s go crazy and say you had ten people show up — that’s still not enough.(仮に10人来たとしても、まだ足りない)のように、現実的には不十分な数字を「大きく見積もって」提示するときに使う。議論の中で反対意見を強調したいときに有効な表現だ。 『リカルドを演じて』では、ジェスが現代のヒット番組は視聴者1000万人程度だと述べた後に、Let’s go crazy and say fifteen.(大げさに言って1500万人だとしよう)と続ける。そして「I Love Lucy」は当時の米国世帯の60%にあたる6000万世帯が視聴していたと述べ、現代の視聴率との圧倒的な差を際立たせる。この「大げさに言っても全然かなわない」という構造は、議論で相手の主張を崩す際にも使える効果的な表現だ。
