■この映画のご紹介
Table of Contents
−- ■この映画のご紹介
- ■この映画で使われている会話表現とスラング
- Memory is a strange thing.
- Language is the foundation of civilization.
- It's good. Even if it's wrong.
- Make quick work of something
- This is a whole new ball game.
- Keep your focus on the sounds.
- I need to be there. Interacting with them.
- Gavisti — "A desire for more cows."
- Nouns, verbs. I can't do that remotely.
- Ask him the Sanskrit word for "war" and its translation.
- Heptapod — "Seven limbs"
- Nonlinear orthography
- The Sapir-Whorf hypothesis
- It's a whole new ball game vs. "offer weapon"
- If all I ever give you is a hammer, everything's a nail.
- Solve
- Non-zero-sum game
- There is no linear time.
- You already have. You choose life.
- In some ways this choice saves the world, but I'm not thinking about that, Hannah. I never am.
ある日、世界12か所に巨大な宇宙船が出現する。アメリカ政府はその目的を探るため、著名な言語学者ルイーズ・バンクス博士(エイミー・アダムス)と理論物理学者のイアン・ドネリー(ジェレミー・レナー)を現地に派遣する。宇宙船の内部で「ヘプタポッド」と呼ばれる七本足の宇宙人と接触したルイーズは、彼らの言語を解読しようと試みる中で、自分自身の時間の認識が根本から変わっていくことに気づく。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が手がけた本作は、テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を原作とし、言語・時間・記憶というテーマを深く掘り下げたSF映画の傑作である。アカデミー賞8部門にノミネートされ、音響編集賞を受賞した。
■この映画で使われている会話表現とスラング
Memory is a strange thing.
記憶とは不思議なものだ
映画冒頭、ルイーズのモノローグとして語られるこの一文は、シンプルに見えて哲学的な深みを持つ表現だ。memory は「記憶」「思い出」という意味で、a strange thing は「不思議なもの」「奇妙なもの」を指す。X is a strange thing. という構文は、何かを定義しようとしつつも完全には定義できない、という含みを持たせるときによく使われる英語の表現パターンだ。 Life is a strange thing.(人生とは不思議なものだ)、Grief is a strange thing; it comes in waves.(悲しみとは奇妙なもので、波のように押し寄せてくる)のように使える。日常会話でも、何か複雑な感情や現象について語るときに、この構文を応用できる。 『メッセージ』では、ルイーズが娘ハンナとの思い出を語り始める冒頭シーンで Memory is a strange thing. という言葉が語られる。この映画は時間が非線形に描かれており、「記憶」と「未来の予知」の境界が曖昧になっていくという構造を持つ。この一言はその世界観への入り口として機能しており、映画全体のテーマを凝縮している。記憶が「過去のもの」だという前提が、実は揺らいでいるという示唆がすでにここに込められているのだ。英語学習者としては、この文を通じて、英語でも「定義しがたいものを語る」表現のパターンを学ぶことができる。
Language is the foundation of civilization.
言語は文明の礎だ
foundation は「基盤」「土台」「礎」という意味で、ある物事の根本を支えるものを指す。foundation of ~ で「~の土台」「~の基盤」という表現になる。civilization は「文明」で、人類の文化的・社会的な発展の総体を指す。 この表現は哲学的・学術的な文脈でよく用いられるが、日常会話でも応用できる。Trust is the foundation of any good relationship.(信頼はどんな良好な関係の基盤でもある)や Education is the foundation of success.(教育は成功の土台だ)のように使える。 『メッセージ』では、ヘリコプターの中で初めてルイーズと出会うイアンが Language is the foundation of civilization. It is the glue that holds a people together, and it is the first weapon drawn in a conflict.(言語は文明の礎だ。人々をまとめる接着剤であり、争いの場で最初に抜かれる武器でもある)と読み上げる場面がある。これはルイーズ自身が書いた本の一節だ。それに対してルイーズは「華々しい序文を書くための言葉だ」と冷めた反応を見せ、イアンは The cornerstone of civilization isn’t language. It’s science.(文明の要は言語じゃない。科学だ)と切り返す。この言語対科学という構図が、二人の関係性の始まりであり、映画全体のテーマの核心でもある。the glue that holds ~ together(~をまとめる接着剤)という比喩表現も覚えておきたい。
