■この映画のご紹介
Table of Contents
−- ■この映画のご紹介
- ■この映画で使われている会話表現とスラング
- service(スパイ)
- ring any bells
- tutti i fiocchi
- count me in / don't count me in
- Wonderland
- moron
- joint(刑務所)
- kids / juniors
- fascist
- blow up / blow away
- shitting your pants
- crack / gap
- make a living
- off / take care of
- paranoid
- irrefutable evidence
- systematic plan
- testimony / deposition
- clandestine
- Never again / Nunca más
1983年、軍事独裁政権が崩壊し、民主主義を取り戻したアルゼンチン。しかし軍の圧力は依然として強く、独裁政権下で行われた拷問、失踪、殺人は裁かれないまま放置されていた。連邦検察官フリオ・ストラッセラは、国家テロの最高責任者である元軍事評議会のメンバー9名を起訴するという、前代未聞の任務を命じられる。経験豊富な同僚たちに次々と断られたストラッセラは、副検察官ルイス・モレノ・オカンポとともに、法律経験のほとんどない若者たちを集めてチームを結成し、世界史上初めて、民主主義の法廷が軍事独裁政権を裁くという歴史的な裁判に挑む。サンティアゴ・ミトレ監督による実話に基づいた作品で、第95回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた。
■この映画で使われている会話表現とスラング
service(スパイ)
情報機関の工作員/スパイ
service という単語は一般的には「サービス」や「奉仕」を意味するが、この映画では情報機関(intelligence service)の工作員、つまりスパイを指すスラングとして使われている。特に複数形の services は「情報機関」「諜報機関」を指し、MI5やCIAなどの組織そのものを意味することが多い。しかしこの映画の文脈では、単数形の a service で「情報機関の人間」「スパイ」という意味で使われている。 諜報・スパイの世界では、工作員を直接「スパイ」と呼ぶことを避け、遠回しな表現が多用される。service はその代表例だ。He might be working for the service.(彼は情報機関のために働いているかもしれない)のように使う。日本語でも「工作員」や「スパイ」と直接言わずに「筋の人間」などと言うのと似た感覚だ。 『アルゼンチン、1985』では、ストラッセラが娘ベロニカの年上の恋人を怪しんで、息子フリアンに尾行させる場面がある。フリオがシルビアに向かって、Silvia, I have serious suspicions that this guy might be a service… They may want to use her eyes on me.(シルビア、あの男は工作員かもしれないという強い疑念がある……俺を監視するために娘の目を使おうとしているのかもしれない)と打ち明ける。するとフリアンが That’s how you call a spy, Mom.(それがスパイのことだよ、お母さん)と補足する。歴史的裁判を前に、自分の家族さえも監視の対象になりうるという緊迫した状況をユーモラスに描いたシーンであり、当時のアルゼンチン社会に漂っていた恐怖と疑念が垣間見える。 日常会話でこの意味で使うことはほとんどないが、政治的なニュースやスパイ映画を観る際には知っておきたい表現だ。He’s connected to the services.(彼は諜報機関とつながりがある)のような使い方を覚えておくと理解の幅が広がる。
ring any bells
ピンとくる/思い当たる節がある
ring a bell または ring any bells は「ピンとくる」「思い当たる節がある」「記憶を呼び起こす」という意味の慣用表現だ。bell(鐘)が鳴ることで何かを知らせる、つまり記憶や認識が刺激されるというイメージから来ている。Does that ring a bell?(心当たりある?)や That name rings a bell.(その名前、聞いたことがあるな)のように使う。会話の中で相手に「覚えているか」「分かるか」と確認するときに非常によく使われる表現だ。 否定形では That doesn’t ring any bells.(全く思い当たらない)となる。類似表現として Does that mean anything to you?(何か思い当たることある?)や Does that sound familiar?(聞き覚えがある?)も覚えておきたい。 『アルゼンチン、1985』では、ストラッセラが娘の恋人がよくPlus Ultraというバーで会っていることを話題にし、Apparently they always meet at the Plus Ultra. Doesn’t that ring any bells?(どうやら彼らはいつもPlus Ultraで会っているそうだ。ピンとこないか?)と妻シルビアに聞く。続けてState Intelligence, Silvia. The HQ is around the corner.(国家情報局だ、シルビア。本部は角を曲がったところにある)と説明する。バーの場所から情報機関との関連を疑うという、ストラッセラの職業病的な発想に思わず笑ってしまう場面だ。 この表現は日常会話でも非常によく使われるため、ぜひ身につけておきたい。Hey, does the name Sarah Green ring a bell?(サラ・グリーンって名前、聞き覚えある?)のようにカジュアルな場面で使える便利な表現だ。
