Make yourself at home.とは?
誰かの家を訪れたとき、または誰かを自宅に招いたとき、英語圏の日常会話でよく耳にする表現があります。それがMake yourself at home.です。日本語に訳すと、「くつろいでください」「遠慮なくしてください」「我が家だと思ってリラックスしてね」といったニュアンスになります。
直訳すれば「自分自身を家にいる状態にしなさい」となりますが、英語ではこれが自然なおもてなしの言葉として定着しています。訪問客に対して「緊張しなくていいよ」「自由に過ごしていいよ」と伝えるための、温かみのあるフレーズです。日本語で言えば「どうぞお気になさらず」や「ゆっくりしていってね」に近い感覚です。
ネイティブスピーカーが誰かを自宅に迎え入れるとき、ごく自然に口にする表現であり、まさに「生きた英語」の代表例のひとつといえます。この記事では、この表現の構造から使われる場面、会話例、注意点まで詳しく解説していきます。
表現の構造:at homeとはどういう意味か?
まず、このフレーズの核心であるat homeについて理解しておきましょう。
at homeは「家にいる」という意味だけでなく、「くつろいでいる」「落ち着いている」「自分の居場所にいる」という心理的な状態を表すことができます。たとえばI feel at home here.(ここにいると落ち着く)のように、物理的な自宅でなくても使える表現です。
Make yourself at home.のmake yourselfは「自分自身を〜の状態にする」という意味の構文で、Make yourself comfortable.(楽にしてください)やMake yourself useful.(役に立つようにしなさい)などと同じ形をしています。つまりこのフレーズ全体は、「あなた自身を、家にいるようなリラックスした状態にしてください」という意味になります。
どんな場面で使われるのか?
Make yourself at home.が登場する典型的な場面を具体的に見てみましょう。
- 友人や知人を自宅に招いたとき、玄関先や部屋に案内しながら伝える
- 来客が少し早く到着してしまい、ホストがまだ準備中のときに気を使わせないよう言う
- 長期滞在のゲストに対して、家の中を自由に使ってよいと伝える
- 友人の家に初めて来た人が遠慮しているとき、緊張をほぐすために使う
- 職場や店舗などでも比喩的に「リラックスしてください」という意味で使われることがある
共通しているのは、「相手に緊張をほぐしてほしい」「遠慮なく過ごしてほしい」という気持ちを伝える場面であるという点です。命令文の形をしていますが、決して強制的なニュアンスはなく、むしろ相手への思いやりと歓迎の気持ちが込められています。
会話例
実際の使われ方を、いくつかの場面別会話例で確認しましょう。
例1:友人を自宅に招いたとき
A: Come on in! Make yourself at home. I'll get us some drinks. B: Thanks! Your place is really nice. A: さあ入って!くつろいでね。飲み物を持ってくるよ。 B: ありがとう!お家すてきだね。
例2:準備中で少し待ってもらうとき
A: Sorry, I'm still getting ready. Make yourself at home — the remote is on the couch. B: No worries, take your time! A: ごめん、まだ準備中なの。くつろいでて。リモコンはソファの上にあるよ。 B: 大丈夫、ゆっくりして!
例3:長期滞在のゲストに対して
A: You'll be staying with us for a week, so please make yourself at home. Use whatever you need. B: Thank you so much. I really appreciate it. A: 一週間うちにいるんだから、遠慮なく過ごしてね。必要なものは何でも使って。 B: 本当にありがとうございます。助かります。
例4:初訪問で緊張している人に対して
A: You look nervous! Make yourself at home. We don't bite! B: Ha, sorry. I'm just not great with new places. A: 緊張してるの?リラックスして。怖くないから! B: あはは、ごめんね。初めての場所がちょっと苦手で。
ニュアンスと使い方の注意点
① 命令文でも失礼にならない理由
英語の命令文は直接的に聞こえることがありますが、Make yourself at home.は相手を気遣うホスピタリティの表現として広く定着しているため、失礼な印象は全くありません。むしろこのフレーズを言わないと、相手がどこまで自由にしていいか分からず、かえって居心地が悪くなることもあります。
② 似た表現との違いを知っておこう
近い意味を持つ表現もいくつかあります。
- Please feel free to help yourself.(遠慮なく自由にどうぞ)― 食事や飲み物を自由に取っていいと伝えるときに使いやすい
- Please relax and make yourself comfortable.(リラックスしてくつろいでください)― より丁寧でフォーマルなトーン
- Just relax, you’re among friends.(リラックスして、友達の中にいるんだから)― 親しみやすくカジュアルな雰囲気
③ 比喩的な使い方にも注意
Make yourself at home.は物理的な家以外でも使われます。たとえばオフィスや店舗で「ご自由にお過ごしください」という意味で使うこともあります。ただし、あまりにも見知らぬ相手に使うと馴れ馴れしく聞こえる場合もあるため、状況の判断が大切です。
④ 応答の仕方も覚えておこう
このフレーズを言われたときの自然な返し方としては、Thank you!(ありがとう)やThanks, I will!(ありがとう、そうさせてもらうね!)などがあります。
まとめ
Make yourself at home.は、訪問者への歓迎と思いやりを一言で伝えられる、非常に実用的なフレーズです。シンプルな構造ながら、相手の緊張をほぐし、温かい雰囲気を生み出す力を持っています。日常会話で自然に使えるよう、ぜひ声に出して練習してみてください。

こんにちは、ゆぶろぐです。
言葉には、辞書には載っていない「空気」があります。 「どんな表情で?」「どんなトーンで?」 そんな英語の「空気」ごと味わえるよう、フレーズと共に映画のワンシーンを紹介しています。あなたの英語学習が、もっとドラマチックなものになりますように。
本名、吉成雄一郎(よしなりゆういちろう)。株式会社リンガポルタ代表取締役社長。東京電機大学教授、東海大学教授を経て現職。
