Keep your voice down.とは?
英語の映画やドラマ、あるいは日常的な場面で、誰かが大きな声で話しているときに使われるフレーズがあります。Keep your voice down.もそのひとつです。日本語に訳せば、「声を落として」「静かにして」「もう少し小さい声で話して」といったニュアンスになります。
シンプルに分解すると、keepは「〜の状態を保つ」、your voiceは「あなたの声」、downは「低く・小さく」という意味です。つまり文字通り、「あなたの声を低い状態に保ちなさい」ということを伝える命令文です。日本語で言えば「声のボリュームを下げてください」にあたりますが、英語ではこの一文で自然かつ直接的にそのメッセージを伝えることができます。
この表現は、図書館や病院、映画館、会議室など静粛が求められる場所や、秘密の話をしているとき、周囲に人がいて聞かれたくない状況など、さまざまな場面で使われる実用的なフレーズです。この記事では、この表現の構造から使われる場面、会話例、注意点まで詳しく解説していきます。
表現の構造:keep+目的語+形容詞・副詞の形
まず、Keep your voice down.という文の文法的な構造を理解しておきましょう。
この文は、「keep+目的語+補語(形容詞または副詞)」という形をとっています。keepという動詞は「〜を…の状態に保つ」という意味で使われており、英語では非常に多くの表現に応用されます。たとえばKeep the door open.(ドアを開けたままにしておいて)や、Keep it clean.(それを清潔に保って)なども同じ構造です。
この構文の中でdownは副詞として使われており、「低く」「抑えて」というニュアンスを持ちます。声のボリュームを物理的に「下げる」イメージで捉えると理解しやすいでしょう。つまりKeep your voice down.は、声という状態を「低い」方向に保つよう求める表現であり、非常に論理的な英語の組み立て方をしています。
どんな場面で使われるのか?
Keep your voice down.が登場する典型的な場面を具体的に見てみましょう。
- 図書館や病院など、静かにすることが求められる公共の場所にいるとき
- 赤ちゃんや病人が近くにいて、起こしてしまいそうなとき
- 秘密の話をしていて、周囲の人に聞かれたくないとき
- 会議中や授業中に、隣の人が大きな声で話しているとき
- 深夜や早朝に、近所迷惑になる声量で話しているとき
共通しているのは、「今の声の大きさが場にそぐわない」「誰かに迷惑をかけている、またはかける可能性がある」という状況です。怒りを伴うこともありますが、多くの場合は注意や警告のトーンで使われ、相手を完全に黙らせたいわけではなく、声量を下げてほしいというのが主な意図です。
会話例
実際の使われ方を、いくつかの場面別会話例で確認しましょう。
例1:図書館での場面
A: Oh my gosh, did you hear what happened to Jake? B: Keep your voice down! We're in the library. A: ちょっと、ジェイクに何が起きたか聞いた? B: 声を落として!ここは図書館だよ。
例2:秘密の話をしているとき
A: I heard that the boss is going to fire someone tomorrow! B: Keep your voice down. People are listening. A: 明日、上司が誰かをクビにするって聞いたよ! B: 声を小さくして。みんな聞いてるから。
例3:赤ちゃんが寝ているとき
A: Finally she's asleep. Keep your voice down, okay? B: Sorry, I didn't realize she was napping. A: やっと寝てくれた。声を落としてね? B: ごめん、昼寝してるって気づかなかった。
例4:映画館での場面
A: Wait, is that the villain from the last movie? B: Keep your voice down, please. Others are trying to watch. A: ちょっと、あれって前作の悪役じゃない? B: 声を下げてください。他の人が見てるから。
ニュアンスと使い方の注意点
① 命令文だが必ずしも失礼ではない
Keep your voice down.は命令文ですが、英語では命令文がそのまま「失礼」を意味するわけではありません。状況や声のトーン、表情によって、注意・お願い・警告のいずれにもなりえます。pleaseを加えてKeep your voice down, please.とすれば、より丁寧な響きになります。
② 似た表現との使い分けを覚えよう
同じような意味を持つ関連表現も覚えておくと便利です。
- Lower your voice.(声を落として)― Keep your voice down.とほぼ同じ意味で使えるシンプルな表現
- Quiet down.(静かにして)― 声だけでなく全体的な騒がしさを抑えてほしいときに使う
- Shh. / Shush.(しーっ)― 瞬時に静粛を求めるときの非言語的・短縮的な表現
- Can you speak more quietly?(もう少し小さな声で話せますか?)― より丁寧でフォーマルな言い換え
③ 声のトーンで印象が大きく変わる
Keep your voice down.は、ウィスパー(囁き声)で言えば緊急性や秘密のニュアンスが出ますし、はっきりとした声で言えば注意・警告の意味が強まります。同じフレーズでも発話の仕方によって、優しいお願いにも、強い叱責にもなり得ます。英語学習者としては、このトーンの使い分けにも注目してみましょう。
④ voiceをitに変えた短縮形
日常会話ではKeep it down.という短縮表現もよく使われます。意味はKeep your voice down.とほぼ同じですが、声だけでなく音全般(音楽・テレビの音など)に対しても使える点で汎用性が高い表現です。
まとめ
Keep your voice down.は、声量を抑えてほしいというメッセージをシンプルかつ直接的に伝えられる、非常に実用的なフレーズです。日常生活のあらゆる場面で使われるため、英語学習者にとってぜひ身につけておきたい表現のひとつです。
命令文であっても状況やトーン次第でお願いにも警告にもなる点、またKeep it down.やLower your voice.など関連表現とあわせて覚えることで、表現の幅がさらに広がります。映画やドラマの中でこのフレーズが出てきたとき、どんな感情や状況でどのように使われているかを意識して聞いてみてください。

こんにちは、ゆぶろぐです。
言葉には、辞書には載っていない「空気」があります。 「どんな表情で?」「どんなトーンで?」 そんな英語の「空気」ごと味わえるよう、フレーズと共に映画のワンシーンを紹介しています。あなたの英語学習が、もっとドラマチックなものになりますように。
本名、吉成雄一郎(よしなりゆういちろう)。株式会社リンガポルタ代表取締役社長。東京電機大学教授、東海大学教授を経て現職。
