■この映画のご紹介
Table of Contents
−- ■この映画のご紹介
- ■この映画で使われている会話表現とスラング
- Don't be shan.
- Hang tight.
- poppet
- top up time
- whiter than I left
- I can't exactly ask you when I phone you at home.
- Swap.
- Give us a wave.
- porky pie / porky
- turd tapper
- I'm not up for it.
- no big deal
- I'll figure out the money.
- We'll see.
- Can't see myself at 40.
- nipping
- I told you I didn't want to play.
- Give my love to your mum.
1990年代後半のトルコ。11歳のソフィーは、離れて暮らす30歳の父カラムと二人きりで夏のバカンスを過ごす。プールサイドでの日向ぼっこ、ダイビング体験、カラオケ、泥浴び──ありふれた休暇の日々が、ソフィーの手持ちのDVカメラに断片的に記録されていく。20年後、31歳になったソフィーは、その映像を見返しながら、あの夏の父の姿に何かを見出そうとする。シャーロット・ウェルズ監督が自身の記憶と想像を織り交ぜて作り上げた長編デビュー作で、ポール・メスカルとフランキー・コリオが父娘を演じた。カンヌ国際映画祭批評家週間でのプレミア上映後、世界中の映画祭で絶賛を浴びた。
■この映画で使われている会話表現とスラング
Don’t be shan.
ケチなこと言わないで/みっともないことしないで
shan はスコットランドやイングランド北部のスラングで、「ケチ」「ずるい」「みっともない」「情けない」といったニュアンスを持つ形容詞だ。標準的な英語辞典には載っていないことも多いが、若者言葉や方言として広く使われている。That’s well shan.(それはひどいな)や Don’t be shan about it.(そんなケチなことを言うなよ)のように使われる。 日本語に当てはめるなら「みっともない」「情けない」「ケチ」といった感覚が近い。友人がお金を払いたがらなかったり、つまらないことに文句を言ったりするときに Don’t be shan. と言えば「そんな小さいことを言うなよ」という意味になる。また、不公平な状況を指して That’s shan, that is.(それはひどいな)と使うこともある。 『アフターサン』では、ソフィーが父カラムに対して Come on, Dad, don’t be shan.(ねえ、お父さん、ケチなこと言わないでよ)と言う場面がある。ウェルカムミーティングへ出席するよう促されたソフィーが、そのかわりにゲームコーナーへ行かせてほしいとねだる場面だ。ここで shan というスラングを使うことで、ソフィーがスコットランド出身の家庭で育ち、そのような口語表現を自然に使いこなしていることが示されている。カラムはすぐに何のことか分かっており、父娘の間に共有された言語的・文化的背景があることが伝わる。子どもが親を説得しようとするときの親しみあふれる言い方として、日常会話でも覚えておくと使えるスラングだ。 例文:Stop being so shan and just split the bill.(そんなケチなことを言わないで割り勘にしようよ)/ That’s a bit shan of him not to say anything.(何も言わないなんて彼はちょっとひどいな)
Hang tight.
ちょっと待ってて/そのままでいて
hang tight は「そのままじっと待ってて」「もう少し我慢して」というときに使うインフォーマルな表現だ。hang on や hold on よりも少し親しみのある言い方で、特に子どもや親しい間柄に対して使われることが多い。「動かずにそこにいて」というニュアンスと、「すぐに戻るから」という含意が同時に伝わる表現だ。 Hang tight, I’ll be back in five minutes.(ちょっと待ってて、5分で戻る)や Hang tight, we’re almost there.(もう少しの辛抱だよ、もうすぐ着く)のように使う。電話やメッセージでも Hang tight while I check that for you.(確認しますのでそのままお待ちください)のように使える。 『アフターサン』では、カラムがホテルのフロントに誰もいないことに気づき、スタッフを探しに奥へ入ろうとしながら、ソフィーに向かって Hang tight, poppet.(ちょっと待ってて、ソフィー)と言う場面がある。poppet は子どもや大切な人への親しみを込めた呼びかけで、イギリス英語の方言表現だ。この一言からカラムの優しい父親としての側面が伝わってくる。ちなみにこの後すぐにカラムは戻ってきてしまい、ソフィーが I’m fine.(大丈夫よ)と即座に返すやり取りが、父娘の息の合った関係を示している。
