You can say that again.とは?
英語の日常会話や映画のセリフの中で、相手の言葉に深く同意するときに使われる表現があります。You can say that again.もそのひとつです。直訳すれば「あなたはそれをもう一度言えます」となりますが、もちろんそのままの意味ではありません。実際のニュアンスは、「まったくその通り!」「本当にそうだね!」「おっしゃる通りです!」といった、相手の発言への強い共感や同意を表す表現です。
表面的には「もう一度言って」と頼んでいるように聞こえますが、これは「それほど同意している」「それほど正しいことを言っている」というユーモアを含んだ言い回しです。まさに英語らしい、慣用的な逆説表現といえます。日本語で言えば「まさにそれ!」「よくぞ言ってくれた!」というニュアンスに近いでしょう。この記事では、この表現の成り立ちから実際の使われ方、注意点まで詳しく解説していきます。
表現の成り立ち:なぜ「もう一度言える」が同意になるのか?
この表現が同意を意味する理由は、英語のロジックにあります。相手が非常に的を射たことや、まさに自分が感じていたことを言葉にしてくれたとき、ネイティブスピーカーは「その言葉はもう一度繰り返す価値がある」「繰り返してほしいくらい正しい」という気持ちを込めて You can say that again. と返します。
つまり、「もう一度言えるよ(それほど正しいから)」→「まったくその通り!」という意味の転換が起きているわけです。これは英語の慣用句(idiom)の典型的な特徴で、言葉の表面的な意味と実際のニュアンスが大きく異なります。英語学習者にとってはまさに「落とし穴」になりやすい表現ですが、一度覚えてしまえばとても自然に使いこなせるフレーズです。
どんな場面で使われるのか?
You can say that again.が登場する典型的な場面を見てみましょう。
- 友人が天気や状況についての感想を述べ、自分もまったく同じように感じていたとき
- 誰かが仕事や生活の大変さについて話し、深く共感できるとき
- 相手が世間一般の「あるある」を言い当てたとき
- 愚痴や不満に対して「本当にそうだよね」と寄り添いたいとき
- 軽いユーモアを交えて会話を盛り上げたいとき
共通しているのは、「相手の言葉がまさに自分の気持ちや考えを代弁している」という状況です。強い同意であるがゆえに、相槌としてだけでなく、会話に温かみやユーモアを加える役割も果たします。
会話例
実際の使われ方を場面別の会話例で確認しましょう。
例1:疲れた一日の終わりに
A: What a long day. I'm completely exhausted. B: You can say that again. I can barely keep my eyes open. A: 長い一日だったね。もうへとへとだよ。 B: 本当にその通り。目を開けてるのもやっとだよ。
例2:天気について
A: It's so hot today. I feel like I'm melting. B: You can say that again! I've never sweated this much in my life. A: 今日は本当に暑いね。溶けそうだよ。 B: まったくその通り!こんなに汗をかいたのは生まれて初めてだよ。
例3:職場の状況について
A: This project has been way more complicated than anyone expected. B: You can say that again. We've been putting in extra hours every single week. A: このプロジェクト、誰もが思っていた以上に複雑だったよね。 B: 本当にそうだよ。毎週残業続きだもの。
例4:食事の感想
A: That was the best pizza I've ever had. B: You can say that again. I could eat that every day. A: 今まで食べた中で一番おいしいピザだったよ。 B: まったくその通り。毎日でも食べられるね。
ニュアンスと使い方の注意点
① カジュアルな場面で使う表現である
You can say that again.は、親しい友人や家族、カジュアルな職場の同僚との会話に向いた表現です。フォーマルなビジネス会議や初対面の相手に対して使うと、やや砕けすぎた印象を与える場合があります。改まった場では I completely agree.(まったく同意します)や That’s absolutely right.(おっしゃる通りです)などを使う方が無難です。
② 同意の強さがポイント
単純な同意を示す Yes. や I agree. とは異なり、You can say that again.には「強く、心から同意している」というニュアンスが含まれます。軽い相槌ではなく、相手の言葉が自分の気持ちをまさに言い当てていると感じたときに使うのが自然です。使いすぎると大げさに聞こえることもあるので注意しましょう。
③ 似た表現との違いを理解しよう
同じく強い同意を表す表現として以下のものがあります。
- Absolutely.(まったくその通り)― シンプルで幅広い場面で使える
- Totally.(全くそうだね)― 若者言葉に近いカジュアルな表現
- Couldn’t agree more.(これ以上同意できないほど同意する)― やや強調が強い
- Tell me about it.(言わなくてもわかるよ)― 共感と少し疲れた気持ちが混じる表現
You can say that again.は、これらの中でも特に温かみとユーモアを含んだ同意表現として位置づけられます。
④ 文字通りに受け取らないよう注意
英語学習者が最も戸惑いやすいのは、この表現を文字通りに解釈してしまうケースです。You can say that again.と言われたとき、本当にもう一度同じことを繰り返す必要はありません。これは慣用句であり、「もう一度言ってほしい」という要求ではなく、強い同意のサインだと理解しておきましょう。
まとめ
You can say that again.は、相手の言葉に心から共感し、強く同意するときに使う表現です。直訳からは想像しにくいニュアンスを持つ典型的な英語の慣用句ですが、一度覚えてしまえば日常会話で非常に役立つフレーズです。
カジュアルな会話の中で自然に使いこなせるようになると、会話に温かみとリズムが生まれます。映画やドラマの中でもよく登場する表現ですので、ぜひ意識して聞いてみてください。

こんにちは、ゆぶろぐです。
言葉には、辞書には載っていない「空気」があります。 「どんな表情で?」「どんなトーンで?」 そんな英語の「空気」ごと味わえるよう、フレーズと共に映画のワンシーンを紹介しています。あなたの英語学習が、もっとドラマチックなものになりますように。
本名、吉成雄一郎(よしなりゆういちろう)。株式会社リンガポルタ代表取締役社長。東京電機大学教授、東海大学教授を経て現職。専門は英語教授法。英語学習や英語教育に関する論文、著書、記事多数。
