We’re running out of time.とは?
英語の映画やドラマ、特にアクションやサスペンスのジャンルを見ていると、緊迫したシーンで必ずと言っていいほど耳にするフレーズがあります。We’re running out of time.もそのひとつです。日本語に訳せば、「時間がなくなってきた」「タイムリミットが迫っている」「もう時間がない」といったニュアンスになります。
シンプルに分解すると、run out ofは「〜を使い果たす」「〜がなくなる」という意味のイディオムで、We’re running out of timeは「私たちは時間を使い果たしつつある」、つまり「残り時間がどんどん少なくなっている」という進行中の状況を表しています。時間だけでなく、We’re running out of money.(お金が底をついてきた)やWe’re running out of options.(選択肢がなくなってきた)のように、さまざまな名詞と組み合わせて使えるとても応用力の高い表現です。
表現の構造:run out ofとはどういうイディオムか?
この表現を深く理解するために、まずrun out ofというイディオムについて整理しておきましょう。
run out ofは、もともと「走って外に出る」という物理的なイメージが転じて、「蓄えていたものが外へ出て空になる」、すなわち「〜が尽きる・なくなる」という意味で使われるようになりました。英語圏では日常的に非常に幅広く使われており、物・お金・エネルギー・時間・アイデアなど、あらゆる「残量が減るもの」に対して使えます。
We’re running out of time.のrunningという現在進行形が重要で、これは「今まさに時間が失われていく過程にある」というリアルタイム感を強調しています。単にTime is short.(時間が短い)と言うよも、今この瞬間も刻々と残り時間が削られているという緊迫感が強く伝わる点がこの表現の特徴です。
どんな場面で使われるのか?
We’re running out of time.が登場する典型的な場面を具体的に見てみましょう。
- 締め切りが迫っているのに作業が終わっておらず、焦りを感じているとき
- 試験や競技など、制限時間内に結果を出さなければならない場面
- 映画やドラマで、爆弾の解除や救出作戦など命がかかった緊急事態
- 交渉や会議の時間が残り少なくなり、合意を急かす必要があるとき
- 病気の治療や重要な決断など、猶予が限られている深刻な状況
共通しているのは、「残り時間が有限である」「このままでは間に合わない」「今すぐ行動しなければならない」という危機感です。日常的な場面から命がかかった極限状況まで幅広く使われますが、どの場面でも緊迫感と行動を促すニュアンスが根底に流れています。
会話例
実際の使われ方を、いくつかの場面別会話例で確認しましょう。
例1:仕事の締め切り前
A: We're running out of time. The report is due in an hour and we're only halfway done. B: I know. Let's split the work and finish it as fast as we can. A: 時間がなくなってきた。レポートの締め切りまであと1時間なのに、まだ半分しか終わってない。 B: わかってる。作業を分担して、できる限り早く終わらせよう。
例2:試験中に
A: We're running out of time. You still have three questions left. B: I'll skip the hard ones and come back to them if I have time. A: 時間がなくなってきてるよ。まだ3問残ってる。 B: 難しい問題は飛ばして、時間があったら戻ることにする。
例3:交渉の場面で
A: We're running out of time here. Can we reach an agreement today? B: We need just a few more minutes to discuss the final terms. A: そろそろ時間がなくなってきています。今日中に合意できますか? B: 最終条件を話し合うのに、もう少しだけ時間が必要です。
例4:緊急事態で
A: We're running out of time! The building is filling with smoke! B: Everyone follow me! There's an emergency exit at the end of the hall! A: 時間がない!建物中に煙が充満してきてる! B: みんな私についてきて!廊下の突き当たりに非常口がある!
ニュアンスと使い方の注意点
① 主語を変えることで表現の幅が広がる
We’re running out of time.のWeの部分は状況に応じて自由に変えられます。I’m running out of time.(私には時間がない)と言えば個人的な切迫感になり、You’re running out of time.(あなたには時間がないですよ)と言えば相手に対する警告になります。またThey’re running out of time.(彼らには時間がない)のように第三者について語ることも自然です。
② time以外の名詞との組み合わせ
run out ofはtime以外にも多くの名詞と組み合わせて使えます。覚えておくと便利な表現をいくつか挙げましょう。
- We’re running out of money.(お金が底をついてきた)
- We’re running out of options.(選択肢がなくなってきた)
- We’re running out of space.(スペースが足りなくなってきた)
- I’m running out of patience.(もう我慢の限界に近い)
③ 似た意味の表現と使い分け
同じような意味を持つ表現もいくつか存在します。場面に応じて使い分けられると表現力がさらに高まります。
- Time is running out.(時間が尽きかけている)― 主語をtimeにした似た構造の表現で、ニュアンスはほぼ同じ
- We don’t have much time.(あまり時間がない)― よりシンプルで落ち着いたトーン
- Time is up.(時間切れだ)― すでに時間が終わったことを意味し、running out of timeより完了した状態
- We’re against the clock.(時間との戦いだ)― 時間的プレッシャーを強調するイディオム
④ トーンによって緊迫感が変わる
We’re running out of time.は、どのようなトーンで言うかによって受け手の印象が大きく変わります。冷静に事実として伝える場面もあれば、パニック状態で叫ぶように使われる場面もあります。映画やドラマでこのフレーズが登場したとき、登場人物がどんな表情で・どんな声のトーンで発しているかに注目するのが、英語のニュアンスを体感的に学ぶ上で非常に効果的です。
まとめ
We’re running out of time.は、時間的な切迫感をリアルタイムで表現できる、非常に実用的で汎用性の高いフレーズです。日常会話からビジネスシーン、緊急事態の場面まで幅広く使われるため、英語学習者にとってぜひ身につけておきたい表現のひとつです。
run out ofというイディオムの構造を理解しておくことで、time以外のさまざまな名詞にも応用でき、表現の幅が一気に広がります。まずはI’m running out of time.やWe’re running out of money.といった身近な文から口に出して練習してみることをおすすめします。英語のドラマや映画を見るとき、このフレーズがどんな場面でどんなトーンで使われているかを意識して聞くことで、表現の感覚が自然と身についていくはずです。

こんにちは、ゆぶろぐです。
言葉には、辞書には載っていない「空気」があります。 「どんな表情で?」「どんなトーンで?」 そんな英語の「空気」ごと味わえるよう、フレーズと共に映画のワンシーンを紹介しています。あなたの英語学習が、もっとドラマチックなものになりますように。
本名、吉成雄一郎(よしなりゆういちろう)。株式会社リンガポルタ代表取締役社長。東京電機大学教授、東海大学教授を経て現職。
