Who do you think you are?とは?
英語の映画やドラマ、あるいは日常会話の中で、誰かが怒りや呆れをあらわにしながら発するフレーズのひとつに、Who do you think you are?があります。文字通りに訳せば「あなたは自分が誰だと思っているの?」ですが、実際のニュアンスは「何様のつもりだ?」「自分が何者だと思ってるんだ?」「いい加減にしろ」といった、強い非難や叱責の意味合いを持ちます。
表面上は疑問文の形をとっていますが、実際には相手に答えを求めているわけではありません。これは修辞的な疑問文(rhetorical question)であり、「そんな態度や行動は許されない」という強いメッセージを間接的に伝えるための表現です。日本語の「何様のつもりだ!」が答えを期待しない叱責であるのと同じ構造と言えます。
表現の構造:なぜこの語順になるのか?
このフレーズは、英語の間接疑問文(indirect question)の語順で構成されています。直接疑問文なら Who are you?(あなたは誰ですか?)となりますが、think you areと続く部分は、do you thinkという挿入によって語順が変化した形です。
具体的には、Who do you think + 主語 + 動詞という構造になっており、you think(あなたは〜だと思っている)という認識や思い込みに疑問を投げかける形になっています。つまり「あなたは自分をどんな人間だと思い込んでいるのか」という含意があり、そこに「その思い込みは間違っている」「そんな大それた人間ではないはずだ」という批判が込められているわけです。
どんな場面で使われるのか?
Who do you think you are?が登場する典型的な場面を見てみましょう。
- 相手が権限もないのに命令や指示をしてきたとき
- 年下や立場の低い人が目上の人に対して失礼な態度を取ったとき
- 他人の領域に無断で踏み込む行動をされたとき
- 傲慢な態度や自己中心的な振る舞いに怒りを感じたとき
- 相手の言動があまりにも非常識で、あきれ返ったとき
共通するのは、「相手の態度や行動が越権的・傲慢・非常識である」という状況です。怒りや呆れを伴いながら、「お前にそんな権利はない」「分をわきまえろ」という感情を一文で表現できるのが、このフレーズの大きな特徴です。
会話例
実際の使われ方を、場面別の会話例で確認しましょう。
例1:職場での越権行為
A: I already told your team they can't use this meeting room anymore. B: Who do you think you are? You have no authority over our schedule. A: あなたのチームはもうこの会議室を使えないって、すでに伝えておいたから。 B: 何様のつもりだ?あなたには私たちのスケジュールを決める権限なんてないでしょう。
例2:親が子に対して
A: I don't need your permission. I'll do whatever I want. B: Who do you think you are talking to? I'm your mother! A: 許可なんていらない。好きにするから。 B: 誰に向かってそんな口をきいてるの!私はあなたのお母さんよ!
例3:友人間のトラブル
A: I went ahead and canceled your reservation because I thought you wouldn't go anyway. B: Who do you think you are? That wasn't your decision to make! A: どうせ行かないと思って、予約キャンセルしておいたよ。 B: 何考えてるの?それはあなたが決めることじゃないでしょ!
ニュアンスと使い方の注意点
① 強い感情表現であることを忘れずに
このフレーズは、かなり感情的で対立的な表現です。日常会話で軽い気持ちで使うと、相手を深く傷つけたり、深刻な対立を生む可能性があります。使う場面と相手との関係性を十分に考慮することが大切です。
② ソフトな言い換え表現
同様の意味をより穏やかに伝えたい場合は、以下のような表現が使えます。
- That’s not your call to make.(それはあなたが決めることではありません)― 冷静に越権を指摘できる
- You’re out of line.(一線を越えていますよ)― 行動が不適切であることを穏やかに伝える
- You don’t have the authority to do that.(そうする権限はあなたにはありません)― フォーマルな場面でも使いやすい
③ イントネーションでニュアンスが変わる
怒りを強調してゆっくり低く発音すれば威圧的な叱責になり、素早く高いトーンで言えば呆れや驚きのニュアンスが前面に出ます。英語学習者はドラマや映画でこの表現が出てくる場面を探し、どのようなトーンで使われているかを意識して聞いてみましょう。
まとめ
Who do you think you are?は、「何様のつもりだ」という怒りや呆れを凝縮した修辞的疑問文です。文法的には間接疑問文の構造を持ちながら、実際には相手の傲慢な言動を強く非難するフレーズとして機能します。強力な表現だからこそ、使う場面と相手との関係性を慎重に判断しながら、表現の幅を広げる一手段として身につけておくと役立つでしょう。

こんにちは、ゆぶろぐです。
言葉には、辞書には載っていない「空気」があります。 「どんな表情で?」「どんなトーンで?」 そんな英語の「空気」ごと味わえるよう、フレーズと共に映画のワンシーンを紹介しています。あなたの英語学習が、もっとドラマチックなものになりますように。
本名、吉成雄一郎(よしなりゆういちろう)。株式会社リンガポルタ代表取締役社長。東京電機大学教授、東海大学教授を経て現職。
