■この映画のご紹介
Table of Contents
−前作『エイリアンVS.プレデター』の直後から物語は始まる。南極での死闘を終え、地球を去るプレデターの宇宙船内で、一体のプレデター(スカー)の死体から新種のエイリアン「プレデリアン」が誕生する。プレデリアンは船内のプレデターたちを虐殺し、制御不能となった宇宙船はアメリカ・コロラド州の森に墜落。船内に保管されていたフェイスハガーも解き放たれ、静かな田舎町はエイリアンとプレデリアンの狩場と化してしまう。この緊急事態を察知したプレデターの母星から、一体の百戦錬磨のプレデター、通称「ザ・クリーナー」が後始末のために送り込まれる。エイリアン、プレデリアン、そしてプレデター。三つ巴の死闘に巻き込まれた町の住民たちは、生き残るために絶望的な戦いを強いられる。
■この映画で使われている会話表現とスラング
What’s up?
どうした?/元気?
What’s up? は、英語の挨拶の中でも非常にポピュラーでインフォーマルな表現である。直訳すると「何が起きているの?」となるが、実際には「元気?」「調子はどう?」「最近どうしてる?」といった軽い挨拶として使われることが多い。友人や親しい同僚など、カジュアルな関係性の相手に使うのが一般的である。これに対する返答も多様で、Not much.(別に何もないよ)、Same old, same old.(相変わらずだよ)、I’m good.(元気だよ)など、状況に応じて使い分ける。また、挨拶としてだけでなく、文字通り相手の様子がおかしい時に「どうしたの?」「何かあったの?」と尋ねる際にも使われる。相手が浮かない顔をしていたり、いつもと違う行動をしていたりする時に You look down. What’s up?(元気ないね。どうしたの?)のように声をかけることができる。この表現の面白い点は、挨拶としても質問としても機能するその柔軟性にある。文脈やイントネーションによって意味合いが微妙に変化するため、ネイティブの会話では非常に重宝される。近年では、若者の間でさらに短縮され、sup? と発音・表記されることも多い。 『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』では、保安官のエディがバスを降りたばかりのダラスに声をかける場面でこの表現が登場する。 SHERIFF MORALES: What’s up, Dallas? DALLAS: You come to give me a police escort? 保安官モラレス「よう、ダラス」 ダラス「警察のエスコートでもしに来たのか?」 この場面での What’s up, Dallas? は、久しぶりに町に戻ってきた旧友に対する「よう、元気だったか?」というニュアンスの挨拶である。しかし、ダラスは前科者であり、エディは保安官という立場。二人の間には単なる友情だけではない緊張感が漂っている。ダラスが皮肉っぽく「警察のエスコートか?」と返すことからも、その複雑な関係性がうかがえる。What’s up? という非常にカジュアルな挨拶が、対照的に二人の間の隔たりを浮き彫りにする効果的なセリフとなっている。このように、日常的な挨拶一つをとっても、キャラクターの関係性や物語の背景を深く表現することができるのが、映画のセリフの面白いところである。
asshole
嫌なやつ/ろくでなし
asshole は、英語圏で最も一般的に使われる侮辱的なスラングの一つである。文字通りには「肛門」を意味するが、人を指して使う場合は「嫌なやつ」「ろくでなし」「馬鹿野郎」といった意味になる。相手の自己中心的で思いやりのない、あるいは非常に愚かな行動に対して使われる。非常に強い言葉であり、公の場やフォーマルな状況で使うのは不適切だが、親しい友人同士の軽口から、本気の怒りを表現する場面まで、幅広く使われる。例えば、乱暴な運転をするドライバーに対して That driver is a complete asshole!(あの運転手は本当にクソ野郎だ!)と言ったり、約束を破った友人に対して You’re being an asshole.(お前、今すごく嫌なやつになってるぞ)と非難したりする際に使う。jerk や bastard といった類義語もあるが、asshole は特に相手の性格の悪さや身勝手さを強調するニュアンスが強い。アメリカ英語で特によく使われるが、イギリス英語でも広く理解されている。その直接的で強い響きから、映画やドラマではキャラクターの怒りや苛立ちを表現するために頻繁に用いられるスラングである。 『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』では、保安官になったエディと、刑務所から戻ってきたダラスが車中で会話するシーンで使われる。 DALLAS: What about your cousins? Who sneaks them across the border now? SHERIFF MORALES: (laughs) You’re still an asshole. ダラス「お前のいとこたちはどうしてる?今頃誰が国境を越えさせてやってるんだ?」 モラレス「(笑いながら)お前は相変わらず嫌なやつだな」 この会話では、ダラスが保安官になったエディをからかい、彼が過去に不法な手段で親戚を助けていたことをほのめかしている。それに対してエディは、怒るのではなく笑いながら You’re still an asshole. と返す。この使い方からは、二人がかつては悪友であり、お互いの過去をよく知る親しい間柄であったことが伝わってくる。ここでは asshole という言葉が、本気の侮辱ではなく、親しみを込めた悪態として機能している。昔からの友人に「お前は本当に変わらないな(笑)」というニュアンスで使われる、非常に人間味のあるセリフだ。強いスラングも、文脈やトーンによってその意味合いが大きく変わる好例と言えるだろう。
