■この映画のご紹介
Table of Contents
−- ■この映画のご紹介
- ■この映画で使われている会話表現とスラング
- I will not ruin my dress.
- mien and manner
- admiring / admiringly
- Take into consideration
- prestidigitation
- abstain
- retching
- cowed
- with no preamble
- I will have satisfaction for this wrong.
- I reckon
- lay in wait
- I will not fall into despair.
- truckle
- I survive. I want to live.
- comfort
- for lack of a few dollars
- I say again
- hearsay
- I encourage it. As a Christian I can do no less.
実話に基づく衝撃作である。1841年、ニューヨーク州サラトガに暮らす自由黒人の音楽家ソロモン・ノーサップは、酒に薬を盛られて誘拐され、南部ルイジアナの奴隷として売られてしまう。12年間にわたる奴隷生活の中で彼が見た、人間の残忍さと尊厳の物語を、スティーヴ・マックイーン監督が圧倒的な映像美と俳優たちの演技で描き出した。2014年アカデミー賞作品賞受賞。脚本はジョン・リドリーによるものである。
■この映画で使われている会話表現とスラング
I will not ruin my dress.
ドレスを汚したくない
ruin は「台無しにする」「ダメにする」という意味の動詞である。物や計画、関係などを完全に駄目にするというニュアンスがあり、日常会話で非常によく使われる表現だ。I will not ~ は単純な否定 I won’t ~ よりも意志の強さや決意を強調する表現で、絶対にそれをしないという話し手の断固たる態度を示す。 You’ll ruin your appetite if you eat that now.(今それを食べると食欲がなくなるよ)、The rain ruined our picnic.(雨でピクニックが台無しになった)のように使う。また ruin は名詞としても使われ、His drinking was his ruin.(飲酒が彼の破滅を招いた)のように「破滅」「崩壊」という意味になる。 『それでも夜は明ける』では、ソロモンの妻アンが路上の水たまりの前に立ち、夫に助けを求める場面でこの表現が登場する。I will not ruin my dress. Catch me!(ドレスを汚したくないの。受け止めて!)と言うアンに対し、ソロモンが腕を広げて待ち受ける。その目にはいたずらっぽい光が宿っており、妻が本当に飛び込んでくるかどうか試しているようにも見える。自由で幸せな日常の一コマを鮮やかに描いたこのシーンは、後の奴隷生活の過酷さとの対比としても機能しており、アンの言葉にある愛らしいこだわりが、後に奪われるすべてのものの象徴のようにも映る。
mien and manner
風格と物腰
mien は「物腰」「風格」「表情や態度から醸し出される雰囲気」を意味するやや古風でフォーマルな名詞である。日常会話ではあまり使われないが、文学的な文章や脚本では印象的な人物描写に用いられることがある。manner は「態度」「やり方」「举止」を意味し、mien and manner を合わせると「その人から醸し出される全体的な印象や立ち居振る舞い」というニュアンスになる。 She had the mien of a woman who had seen too much.(彼女は多くを見てきた女性の風格を漂わせていた)のように使われる。manners(複数形)になると「礼儀作法」という意味になり、Good manners cost nothing.(礼儀はタダだ)のような使い方もある。 『それでも夜は明ける』の冒頭、ソロモン・ノーサップを紹介するト書きにこの表現が登場する。Everything about Solomon, his mien and manner, is distinguished.(ソロモンのすべて、その風格と物腰は、際立って品位があった)と描写され、自由黒人として尊厳ある生活を送る彼の姿が映し出される。この一文によってソロモンの人物像が鮮明に確立され、後に奴隷として扱われる理不尽さとの落差がより深く刻まれる。脚本における人物紹介の手腕が光る表現だ。
